「派遣で働いています。」
そう答えたときに、どこか気まずい気持ちになった経験はありますか。
インターネットで「派遣」と検索すると、「派遣 恥ずかしい」「派遣 負け組」といった言葉が表示されることがあります。そのような言葉を目にすると、これから派遣で働こうとしている人はもちろん、現在派遣社員として働いている人も不安な気持ちになるかもしれません。
ですが、最初に私の考えをお伝えすると、私は派遣社員として15年以上働いてきましたが、派遣で働くことを恥ずかしいと思ったことは一度もありません。
もちろん仕事で悩んだことはあります。
契約終了で落ち込んだこともあります。
人間関係に疲れたこともあります。
しかし、それらは派遣だから経験した悩みではなく、働いていれば誰もが直面する悩みでした。
むしろ私は、派遣も正社員も数ある働き方の一つだと考えています。
そのため、「派遣だから恥ずかしい」という考え方そのものに違和感があります。
今回は、なぜ派遣を恥ずかしいと感じる人がいるのか、そして私自身が長年派遣として働いてきた中で感じていることについてお話ししたいと思います。
派遣社員を恥ずかしいと考える人がいる理由
派遣を恥ずかしいと考える人の多くは、「正社員こそが正しい働き方」という価値観を持っているように感じます。
実際、私たちの世代はそのような価値観の中で育ってきました。
良い会社に入ること。
正社員になること。
一つの会社で長く働くこと。
それが理想的な人生だと教えられてきた人も多いでしょう。
そのため、派遣という働き方を見ると、「正社員になれなかった人が選ぶ働き方」というイメージを持つ人もいます。
しかし私は、その考え方は少し視野が狭いのではないかと思っています。
なぜなら、人によって置かれている状況はまったく違うからです。
子育て中の人もいます。
親の介護をしている人もいます。
体調や家庭の事情で働き方を調整したい人もいます。
また、自分の時間を大切にしたい人もいます。
そうした背景を知らずに、「正社員ではないから」という理由だけで人を評価するのは、とても単純な見方ではないでしょうか。
働き方は人それぞれ違って当たり前
私は過去に正社員として働いた経験もあります。
だからこそ、正社員と派遣社員の両方を知ったうえで思うことがあります。
それは、働き方に優劣はないということです。
もちろん違いはあります。
正社員には正社員のメリットがあります。
派遣には派遣のメリットがあります。
そして、それぞれにデメリットもあります。
それにもかかわらず、「正社員だから上」「派遣だから下」という見方をするのは、あまりにも単純すぎるように感じます。
例えば、子育て中の女性がフルタイム正社員として働くことが難しい場合もあります。
親の介護をしながら働いている人であれば、勤務時間や勤務地を選べる働き方が必要かもしれません。
また、自分の趣味や学びの時間を大切にしたい人もいるでしょう。
その人にとって最適な働き方は、人によって違います。
だからこそ、「どの働き方が偉いか」ではなく、「自分に合った働き方ができているか」の方が重要だと思うのです。
実際の職場では派遣社員だから見下されるわけではない
派遣を恥ずかしいと感じる人の中には、「職場で見下されるのではないか」と不安を持っている人もいます。
確かに世の中には、雇用形態だけで人を判断する人もいます。
ですが、私が15年以上派遣として働いてきた経験から言うと、そのような人は一部です。
実際の職場では、肩書きよりも仕事ぶりの方が見られています。
責任感を持って仕事をする人は信頼されます。
周囲に配慮できる人は感謝されます。
知識や経験がある人は頼りにされます。
それは正社員でも派遣社員でも変わりません。
むしろ派遣社員は即戦力として採用されることが多いため、早い段階から仕事を任されることもあります。
私自身も多くの企業で働いてきましたが、派遣だからという理由だけで評価されたことよりも、「仕事をどう進めるか」で評価された経験の方が圧倒的に多かったように思います。
派遣には派遣のデメリットもある
ただし、だからといって派遣にデメリットがないと言うつもりはありません。
私は派遣という働き方に誇りを持っていますが、現実的なデメリットも理解しています。
その代表的なものが収入面です。
正社員の場合は賞与が支給される会社も多くあります。
昇給制度もあります。
退職金制度がある会社もあります。
一方で派遣社員は基本的に時給制です。
そのため、祝日が多い月は収入が減ります。
大型連休がある月も同じです。
体調を崩して休めば、その分だけ収入に影響します。
私自身も長年派遣で働いてきたので、この部分は十分理解しています。
だから私は、「働き方に優劣はない」と思っていますが、「収入面で違いがない」とは思っていません。
そこは現実として存在する違いです。
派遣を選ぶのであれば、その特徴を理解したうえで選ぶことが大切だと思います。
それでも私は派遣社員を恥ずかしいとは思わない
収入面の違いがある。
契約期間がある。
賞与もない。
それでも私は派遣で働くことを恥ずかしいとは思いません。
なぜなら、それは働き方の違いだからです。
正社員には正社員のメリットがあります。
その代わり、異動や転勤があるかもしれません。
責任も重くなります。
長時間労働になることもあります。
一方で派遣には派遣のメリットがあります。
勤務地を選びやすい。
仕事内容を選びやすい。
契約という区切りがある。
ライフスタイルに合わせやすい。
どちらも一長一短です。
だから私は、「正社員になれなかったから派遣」という考え方には違和感があります。
実際には、自分で考えて派遣を選んでいる人もたくさんいるからです。
本当に恥ずかしいのは「視野の狭さ」かもしれない
もし私が「派遣は恥ずかしい」という言葉に違和感を覚える理由があるとすれば、それは人の人生を一つの価値観だけで判断してしまうことです。
人にはそれぞれ事情があります。
家族構成も違います。
健康状態も違います。
人生で大切にしたいことも違います。
それなのに、「正社員ではないから」「派遣だから」という理由だけで人を評価するのは、その人の人生をあまりにも単純化して見ているように感じます。
長年働いていると、本当にいろいろな人に出会います。
立派な肩書きを持ちながら周囲への配慮ができない人もいます。
一方で派遣社員でありながら、多くの人から信頼され、職場を支えている人もいます。
結局、人の価値は肩書きだけでは決まりません。
どんな姿勢で働いているか。
どんな人間関係を築いているか。
周囲にどんな影響を与えているか。
そうした積み重ねの方が、よほど大切なのではないでしょうか。
自分の人生に合った働き方を選べばいい
私は派遣という働き方がすべての人に向いているとは思っていません。
正社員が向いている人もいます。
フリーランスが向いている人もいます。
パートが向いている人もいます。
だからこそ大切なのは、自分に合った働き方を選ぶことです。
誰かの価値観ではなく、自分の価値観で選ぶことです。
世間の評価を気にして働き方を選んでも、毎日その仕事をするのは自分です。
人生を生きるのも自分です。
だからこそ、自分が納得できる働き方を選ぶことが何より重要なのだと思います。
記事まとめ
派遣で働くことを恥ずかしいと感じる人はいます。
しかし私は、派遣社員として15年以上働いてきて、派遣であることを恥ずかしいと思ったことは一度もありません。
派遣も正社員も、数ある働き方の一つです。
確かに収入面では違いがあります。
賞与や昇給、退職金などの制度を考えれば、正社員の方が有利な部分もあります。
ですが、それだけで働き方の価値が決まるわけではありません。
人にはそれぞれ事情があり、それぞれの人生があります。
その中で自分に合った働き方を選ぶことは、決して恥ずかしいことではないはずです。
もし今、「派遣は恥ずかしいのではないか」と悩んでいるなら、一度立ち止まって考えてみてください。
本当に恥ずかしいのは派遣という働き方でしょうか。
それとも、人それぞれ違う人生を一つの価値観だけで判断してしまうことなのでしょうか。
私は、働き方に優劣はないと思っています。
大切なのは、自分が納得できる働き方を選び、自分らしく働けているかどうかではないでしょうか。