派遣先でパワハラを受けたとき、派遣会社はどこまで動いてくれるのでしょうか。
私は40代のとき、派遣先の社員から仕事をまったく教えてもらえない状況に置かれました。
最終的には派遣会社の担当者から「パワハラ認定」という手続きを提案され、派遣先がパワハラを認める結果になりました。
この記事では、そのとき実際に経験した手続きの流れや、自宅待機中の給与、ヒアリングの様子をまとめます。
ただし、手続きの名前や流れは派遣会社や契約内容、時期によって違う可能性があります。
「私の派遣会社ではこうだった」という一つの例として読んでいただければと思います。
派遣先でパワハラを受けた経緯
その職場はWeb系の企業で、業務が本格的に始まる前の準備期間がありました。
ほかの派遣社員は過去のデータを使った練習やテストを受けていたのに、私だけ何も教えてもらえませんでした。
一度だけ受けられたテストも、あとから回答を書き換えられていたことに気づきました。
その結果、派遣会社には「仕事が覚えられない」「態度が悪い」と報告されてしまいます。
一度目のクレームのとき、派遣会社の担当者からは「しっかり業務に向き合ってください」と言われただけでした。
しかし二度目のクレームで、担当者が「いつものあなたの評価と違う」と気づき、詳しいヒアリングが行われました。
そこで私は、職場で起きていたことを具体的にすべて伝えました。
教えてもらえなかった時期のことや、なぜ「態度が悪い」と言われたのかは、こちらの記事で詳しく書いています。

派遣会社から提案された「パワハラ認定」とは
話を聞いた担当者は「仕事を教えないのはパワハラです」と言い、続けて「パワハラ認定というものがありますが、適用してもいいですか」と確認してきました。
担当者の説明によると、派遣社員が受けた行為を派遣会社がパワハラだと判断した場合に、派遣会社から派遣先へ申し立てる手続きだそうです。パワハラだと認められれば、派遣先には費用の負担が発生するとのことでした。
「パワハラ認定」は派遣会社の担当者が使っていた呼び方で、法律で決められた正式な制度名ではないと思います。
派遣会社と派遣先との契約の中で決められている対応なのかもしれません。
なお、パワハラを防ぐための措置は、派遣先にも義務づけられています。派遣社員だからといって、パワハラを我慢しなければいけない立場ではないということです。
パワハラ認定の前に確認された2つの選択肢
手続きに入る前に、担当者から次の2つのどちらを選ぶか確認されました。
・このまま今の職場で働き続けるか
・パワハラ認定を申請するために、今の職場を退職するか
申請するなら、その職場は辞めることが前提でした。
私はすでに、仕事を教えない社員と同じ職場で働き続ける理由を見つけられなくなっていたので、迷わず退職を選びました。
我慢して残るより、手続きを通して事実をはっきりさせるほうが、自分にとって前に進める選択だと思えたからです。
申請後は即日ヒアリングと自宅待機へ
退職を選ぶと、その日のうちに派遣会社によるヒアリングが始まりました。
同時に私は自宅待機となり、職場には出勤しなくなりました。
ヒアリングは私と派遣先の両方に行われ、私とのやり取りはすべて電話でした。
派遣会社の担当者と対面することは一度もありませんでした。
ヒアリングはかなり徹底していて、同じ出来事について何度も細かく聞かれました。
終わるまでに2週間以上かかった記憶があります。派遣会社と派遣先が、大きなトラブル案件として向き合っているような印象でした。
自宅待機中と退職翌月の給与は派遣先が負担
気になるのはお金のことだと思います。私の場合は、自宅待機中の給与と、退職した翌月の給与を派遣先が支払いました。
つまり、自宅待機していた月(退職月)とその翌月の2か月分の給与を、実際には働かずに受け取った形になります。
ただ、月をまたいだ場合の扱いなど、細かいルールまではわかりません。
支払いの範囲や期間は、派遣会社や契約によって違う可能性があるので、手続きを提案されたときは担当者に確認しておくと安心です。
パワハラ認定の結果と、見えてきた原因
ヒアリングの結果、派遣先の社員が意図的に嫌がらせをしていたことを認め、パワハラ認定が決まりました。
あとからわかった原因は、私だけがほかの派遣社員と違う派遣会社から来ていた、ということでした。
さらに、私の前任者も突然辞めていたことがわかりました。
私が具体的に事実を伝えたことで、前任者も同じような目にあっていた可能性に派遣会社が気づき、手続きに踏み切ったようです。黙って辞めていたら、同じことがまた次の人に起きていたかもしれません。
パワハラ認定を選ぶ前に知っておきたいこと
実際に経験してみて、これから同じ状況になるかもしれない人に伝えたいことがあります。
一つめは、記録を残しておくことです。
私がヒアリングで具体的に話せたのは、いつ、誰に、何をされたかを覚えていたからです。
日付と内容をメモしておくだけでも、伝わり方が大きく変わります。
二つめは、一度で伝わらなくても、事実を伝え続けることです。
私の場合も、派遣会社が動いたのは二度目のクレームのときでした。
三つめは、次の仕事の紹介についてです。
手続きのあと、私の条件から大きく外れた紹介が続きました。
条件に合わないものは断ってかまいませんし、ほかの派遣会社で探すこともできます。
自分の希望条件は、遠慮せずに伝え続けることが大切です。
もし派遣会社が相談に応じてくれない場合は、各都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーなど、外部の窓口に相談する方法もあります。
派遣のパワハラ認定とは?派遣会社から提案された手続きと自宅待機・給与の流れまとめ
私が経験したパワハラ認定は、派遣会社が派遣先に申し立てる手続きで、退職が前提でした。
申請すると即日ヒアリングと自宅待機が始まり、2週間以上かけて両者から話を聞いたうえで、パワハラが認められました。
給与は、自宅待機の月と翌月の2か月分を派遣先が負担しています。
手続きの内容は派遣会社によって違う可能性がありますが、「派遣だから我慢するしかない」ということはありません。
おかしいと感じたら記録を残し、派遣会社に具体的な事実を伝えてください。
それが、自分を守るための最初の一歩になります。
これからの働き方を考える
職場で理不尽な扱いを受けても、無理をして働き続ける必要はありません。今の派遣先を離れることも、別の派遣会社を探すことも、派遣以外の働き方を考えることも、一つの選択です。
これからの働き方を見直したい方は、こちらも参考にしてみてください。