派遣として働いていると、「頑張っていれば直接雇用のチャンスがある」「派遣から契約社員になった人もいる」といった話を聞くことがあります。
私自身も、その言葉に期待して働いていた時期がありました。
もちろん、派遣から契約社員や正社員へ進む人は実際にいます。ただ、私が経験したのは、仕事ぶりを評価されたうえで「選ばれなかった」という話ではありません。
そもそも、選考の土俵にすら上がれませんでした。
40代になり、そろそろ派遣という働き方に区切りをつけて、ひとつの職場で腰を据えて働きたいと思っていた頃のことです。
今回は、私が実際に経験した「派遣から契約社員を目指したものの、社内選考にすら辿り着けなかった出来事」について書いてみたいと思います。
40代で派遣から契約社員を目指した職場
私が紹介されたのは、大手IT企業の特例子会社でした。
実はこの職場には、息子が保育園に通っていた頃にも勤務したことがあり、家からも近く、職場の雰囲気もある程度知っていました。さらに週3日は在宅勤務が可能で、通勤の負担も少ない。40代になり、「そろそろ落ち着いて働きたい」と考えていた私にとって、かなり条件のいい職場でした。
それだけなら、数ある派遣先のひとつだったかもしれません。
私が特に期待したのは、派遣社員から契約社員へ登用された人が実際に何人もいたことです。
「頑張っていれば可能性があります」と派遣会社から言われただけではありません。実際に派遣から契約社員になり、その職場で働き続けている人が目の前にいました。
だからこそ、「ここでしっかり働けば、私にも可能性があるかもしれない」と思いました。
派遣としてさまざまな職場を経験してきましたが、年齢を重ねるにつれて、次の契約、その次の派遣先と仕事を探し続けることにも不安を感じるようになります。
この頃の私は、単に目の前の契約を更新してもらうことだけではなく、その先につながる働き方を求めるようになっていました。
派遣から契約社員への社内選考を期待して働いていた
配属された部署では、すでに派遣から契約社員へ登用された方とペアで仕事をすることになりました。
私にとっては、まさに自分が目指している働き方を実現した人です。
その人と一緒に仕事をしながら、自分もきちんと仕事を覚え、実績を積んでいけば、いずれ契約社員への社内選考を受けられるのではないか。そんな期待を持ちながら働いていました。
ところが、次第にその方との関係がうまくいかなくなっていきました。
他の人の陰口を聞かされることが多く、やがてその矛先が私にも向くようになりました。私はできるだけ仕事上の関係として受け流していましたが、あるとき一言、言い返してしまいました。
そして、その一言がきっかけとなり、状況が一気に変わりました。
その部署を実質的に取り仕切っていた部長から、それを理由として契約を打ち切られることになったのです。
結果として、この職場で働いた期間は半年でした。
派遣の社内選考は仕事の評価だけで決まるとは限らない
私がこの経験で一番悔しかったのは、契約社員になれなかったことだけではありません。
半年間の仕事ぶりや能力を見てもらったうえで、「今回は契約社員への登用はできません」と判断されたのであれば、まだ納得できたと思います。
しかし実際には、そこまで辿り着くことができませんでした。
仕事を続けながら契約社員を目指していたにもかかわらず、人間関係のもつれによって契約そのものが終了し、社内選考を受ける機会もないまま職場を去ることになったからです。
派遣から直接雇用への道が用意されている職場であっても、そこへ進めるかどうかは仕事の能力だけで決まるとは限りません。
誰と仕事をするのか。どの部署に配属されるのか。上司がどう判断するのか。
自分ではコントロールできない要素によって、その先の道が変わってしまうことがあります。
もちろん、すべての派遣先や社内選考がそうだという話ではありません。
ただ私はこのとき、「登用制度があること」と「自分にも平等にその機会が与えられること」は別なのだと実感しました。
40代派遣になって増えた「年齢」を意識させる質問
この職場だけではありません。
40代後半になってから派遣の仕事を探していると、以前とは少し違う反応を感じるようになりました。
特に印象に残っているのが、職場見学などで何度か聞かれた、
「教育担当は20代の若い社員ですが、気になりませんか?」
という質問です。
私は年下の人から仕事を教えてもらうことに、抵抗を感じたことはありません。
相手が何歳であっても、その職場では私が新人です。仕事を教えてもらう立場なのですから、当然敬語を使いますし、年齢を理由に態度を変えることもありません。
それでも40代後半になると、「年下の社員とうまくやれるのか」という点を、選考する側から確認されるようになりました。
そして私自身の経験に限って言えば、こうした年齢を意識させる質問が出た企業で、実際に就業へつながったことはありませんでした。
もちろん、その質問だけが不採用の理由だったのかは分かりません。
ただ、応募する私自身が年齢差を気にしていないにもかかわらず、企業側や派遣会社側から年齢を意識した確認をされる。その経験が何度か続くと、40代になってからの仕事探しには、20代や30代の頃とは違う難しさがあると感じるようになりました。
40代派遣で感じた「頑張れば報われる」だけではない現実
若い頃は、仕事を覚えて、きちんと働いて、周囲とうまくやっていれば、次につながっていくものだと思っていました。
もちろん、仕事をきちんとすることは何歳になっても大切です。
ただ、派遣として長く働き、40代になってから改めて仕事探しを経験してみると、自分の努力だけではどうにもならないこともあると感じるようになりました。
年齢、配属先、人間関係、上司との相性、企業側が求めている人物像。
求人票だけでは分からない条件がいくつもあり、その中で派遣社員は「選ばれる側」になります。
今回の職場でも、私は契約社員になるための社内選考で落ちたわけではありません。
仕事の能力を判断される前に、その機会そのものを失いました。
だからこそ、「もっと頑張ればよかった」とは、今は思っていません。
仕事をする以上、努力は必要です。しかし、頑張ったことと、その職場から選ばれることは必ずしも同じではない。
それを知ったことも、長く派遣で働いてきた中で得たひとつの経験でした。
40代からは派遣以外の働き方も選択肢に入れていい
派遣という働き方そのものを、私は否定していません。
さまざまな企業で働けたり、自分の生活に合わせて条件を選べたり、正社員とは違ったメリットもあります。私自身、派遣という働き方だったからこそ経験できた仕事もたくさんありました。
だから、40代になったら派遣を辞めた方がいい、と言いたいわけでもありません。
ただ、派遣会社から紹介されるのを待ち、企業から選ばれ、契約更新を待つ。それだけを自分の働き方のすべてにしなくてもいいのではないか、と考えるようになりました。
今は、会社へ毎日通勤する仕事だけでなく、在宅でできる仕事や業務委託など、働き方そのものが以前より広がっています。
「派遣を続けるか、辞めるか」の二択にする必要もありません。
派遣で働きながら別の働き方を知ることもできますし、次の契約を考えるタイミングで、これまで見ていなかった求人を見てみることもできます。
派遣を選ぶことも、派遣以外を選ぶことも、自分で決めていい。
40代になって仕事探しの難しさを感じるようになったからこそ、私はひとつの働き方だけに自分の可能性を預けないことも大切なのではないかと思っています。
まとめ|社内選考に進めなかった経験から思うこと
「派遣から契約社員になれる可能性がある」と聞けば、そこで頑張ろうと思うのは自然なことです。
私もそうでした。
けれど、実際には仕事の能力だけでなく、人間関係や配属先、年齢など、自分では変えられない要素が働き方に影響することがあります。
だからといって、派遣という働き方が悪いわけではありません。
ただ、ひとつの会社から選ばれなかったことで、「自分にはもう仕事がない」と思う必要もないと、今は思っています。
選択肢は、その会社の中だけにあるわけではありません。
派遣を続けてもいい。別の会社を探してもいい。在宅でできる仕事を探してもいい。
これまでとは違う働き方を知ることも、40代からの仕事探しではひとつの選択肢になると思います。
派遣以外の働き方も、少し見てみませんか?
派遣で仕事を探していると、どうしても「派遣会社から紹介される求人」の中だけで次の仕事を考えがちです。
けれど、少し視野を広げてみると、在宅でできる仕事という選択肢もあります。
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