子どもが小さいうちは、どれだけ準備をしていても、予定通りにいかないことがあります。
朝までは元気だったのに突然熱を出したり、感染症にかかって保育園へ行けなくなったりすることは、子育てをしながら働いていれば珍しくありません。
だからこそ、派遣で働きながら子どもの体調不良に直面したとき、「仕事を休んでもいいのだろうか」「派遣先に迷惑をかけるのではないか」「働き始めたばかりなのに休んでいいのだろうか」と、不安になる方は多いと思います。
私自身も、子どもが小さかった頃は仕事と子育ての両立に何度も悩みました。
そのなかでも、今でも忘れられない一言があります。
派遣の仕事を始めたばかりの頃、子どもがインフルエンザにかかり、仕事を休みたいと伝えたところ、返ってきたのは「子どもを置いて来られない?」という趣旨の言葉でした。
もうずいぶん前の出来事ですが、私はこのときのことを今でも覚えています。
派遣で子どもがインフルエンザに|体調不良で仕事を休むことになった経緯
その仕事は、私にとって始まったばかりの仕事でした。
仕事を始めた直後というのは、ただでさえ休みを申し出にくいものです。まだ仕事を覚えている途中で、周囲との関係もできていなかったからです。
そんなタイミングで子どもがインフルエンザにかかり、保育園へ預けることができなくなったため、私は仕事を休まなければならないと考え、職場へ事情を伝えました。
すると返ってきたのが、「子どもを置いて来られないか」という趣旨の言葉です。
小さな子どもを一人で家に置いて仕事へ行くことは、私にはできませんでした。
とはいえ当時の私は、そこで強く言い返せるような立場でも状況でもありませんでした。
子どもの体調不良で派遣を休みたいときは派遣会社へ相談できる
どうしたらいいのかわからなくなった私は、派遣先ではなく、派遣会社へ連絡しました。
派遣社員には、実際に働く派遣先とは別に、雇用関係を結んでいる派遣会社が存在するため、このときはその仕組みに助けられたのです。
事情を伝えると、派遣会社の担当者が派遣先へ連絡してくれ、その結果、私は仕事を休んで子どものそばにいることができました。
この経験を通じて、派遣会社が間に入ってくれることの意味を、私は初めて実感しました。
派遣先へ直接言いにくいことや、自分だけでは話がうまく進まないことがあったときには、派遣会社へ相談するという方法があります。
実際、私はその後も派遣として長く働くなかで、困ったときに派遣会社へ相談することが何度もありました。
派遣は子どもの体調不良で休みづらい?私が感じたこと
子どものインフルエンザのときは、派遣会社が間に入ってくれたおかげで休むことができました。
ただ、この話には続きがあります。
その後、今度は夫がインフルエンザにかかったのですが、そのときの私は「休みたい」と言えませんでした。
というのも、すでに子どものときに一度休んでいたため、また家族の体調不良で休みたいと言えば、どう思われるのだろうという気持ちがあったからです。
結局、夫には家にいてもらい、私は仕事へ行きました。
もちろん子どもと大人とでは事情が異なり、大人であれば一人で休むこともできます。
それでも今振り返って思うのは、一度「休みにくい」と感じてしまうと、その後も休みたいと言い出しにくくなるということです。
子どもの体調不良そのものよりも、「また休むと思われるのではないか」「迷惑をかけるのではないか」という気持ちのほうが、当時の私を苦しめていたのかもしれません。
子育てと派遣を両立するために意識していた仕事選び
子どもが小さい頃の私は、仕事を選ぶときにも家庭との両立をかなり意識していました。
長期のフルタイム勤務を避け、期間限定の派遣を選んでいた時期もありましたし、勤務地についても、徒歩圏内や電車で数駅程度など、何かあったときすぐに戻れる場所を選ぶようにしていました。
とはいえ、子どもがいつ体調を崩すかまでは、どれだけ準備をしても決められません。
職場に迷惑をかけないように仕事を選んでいても、突然休まなければならない日はやってきます。
これは本人の努力だけでどうにかできることではないのです。
当時の私は「なるべく休まないようにしよう」「仕事に迷惑をかけないようにしよう」と考えていましたし、仕事をする以上その気持ちは大切だと今も思います。
ただ、子育て中の働き方を考えるときには、勤務時間や勤務地だけでなく、何か起きたときに相談できる環境かどうかも大切なのだと、今になって感じています。
派遣先に言いにくいことは派遣会社へ相談するという選択肢もある
派遣で働いていると、普段の仕事では派遣先の社員と接することがほとんどのため、何か問題が起きたときも、まず自分で派遣先と話をしなければならないように感じるかもしれません。
しかし、自分だけで抱える必要はありません。少なくとも私は、子どものインフルエンザのとき、自分ではどうにもできなくなって派遣会社へ連絡し、担当者が間に入ってくれたことで助かりました。
もちろん、派遣会社へ相談したからといって、必ず自分の希望どおりになるとは限りません。それでも、「こんなことを相談していいのかな」と一人で悩み続けるより、まず状況を伝えてみることはできるはずです。
特に子育て中は、自分ではコントロールできないことが次々と起こります。だからこそ、仕事を休まなければならない事情が発生したときや、派遣先とのやり取りに困ったときには、派遣会社へ相談するという選択肢があることを、覚えておいてほしいと思います。
派遣と子育てを両立した経験から思うこと
「子どもを置いて来られない?」
あのとき言われた言葉を、私は今でも覚えています。
だからといって、その一言だけで当時の職場すべてが悪かったとは思っていません。
仕事が始まったばかりで、職場全体にも余裕がなかった時期でしたし、その後は雰囲気も変わり、私はそこで契約期間を終えるまで働くことができました。
長く働いていれば、良い職場であっても嫌な出来事が起こることはありますし、反対に、最初は大変でも後から働きやすくなることもあります。
それでも、子どもが小さかった頃の私にとって、あの一言がとても困る言葉だったことは事実です。
そして同時に、自分だけで解決できないときは派遣会社へ相談すればいいのだと知った経験でもありました。
子育てをしながら働いていると、仕事も大切、子どもも大切という、比べることのできない二つの間で悩むことがあります。
すべてを完璧に両立することは難しいからこそ、何かあったときに相談できる場所を知っておくことが大切なのだと、私は思います。
この出来事は、派遣という働き方のなかで、そうした大切さを初めて実感させてくれた経験のひとつでした。