子どもが小さかった頃、私は期間限定の派遣を何度も選んで働いていました。
3か月、半年、繁忙期だけなど、最初から働く期間が決まっている仕事です。
一般的には「せっかく仕事を覚えるなら長く働きたい」「次の仕事を探すのが大変そう」と考える人の方が多いかもしれません。
実際、当時の知り合いに期間限定派遣の良さを話しても、そう言われることがよくありました。
でも、私には逆でした。
「長く働かなくていい」と最初から決まっていることが、むしろ安心だったのです。
期間限定派遣を選んだ理由➀ 子どもが小さい頃は家族を第一にしたかった
私の子どもは乳児期に疾患があり、入退院や通院を繰り返していました。
3歳半頃までは何かと大変で、私はその頃に「独身時代とは違って、私の時間は自分だけのものではない」と強く感じるようになりました。
「子どものために自分を犠牲にした」という話ではありません。
もともと私はキャリア志向が強かったわけではなく、できることなら専業主婦として子育てをしたいと思っていました。
だから、家族を第一にする生活は私自身が望んだものでもありました。
一方で、病弱だったこともあって子どもは私からなかなか離れられない子になっていました。
周囲には保育園を選択するママが多く、
「少し離れる時間を作ってもいいんじゃない?」
と言われることもあり、私自身も考え方を少し変え、保育園を利用しながら働くことを選びました。
ただし、そこで私が選んだのは、ずっと同じ会社で働くことではありませんでした。
期間限定派遣を選んだ理由②「一つの会社に縛られる働き方」に戻りたくなかった
私は派遣になる前、正社員として出産までの約10年間働いていました。
その会社では何度か退職したいと申し出たことがあります。
ところが当時は、「理由もなく部下に辞められると上司の評価に傷がつく」という考え方もあり、実際に上司からそのような話をされたこともありました。
私以外にも同じように言われた先輩がいましたので、当時の大手企業はこんなものなのかなと諦めた認識を持っていました。
大きな事業を任されていたわけでもない、単なる事務職だったのに、結局、出産まで辞めることはできませんでした。
その経験から私の中には、
「長期雇用=簡単には逃げられない」
という感覚が残っていたのだと思います。
もちろん、長く働けることに安心を感じる人もいます。
でも私は、同じ場所で同じ毎日を繰り返し、「辞めたいのに辞められない」と感じる生活には戻りたくありませんでした。
だからこそ、最初から終わる時期が決まっている期間限定派遣がとても魅力的に見えました。
期間限定派遣を選んだ理由➂ 通勤時間がかからないエリアに期間限定が多かった
もう一つ、私が仕事選びでかなり重視していたのが勤務地です。
子育て中のワーママから、
「会社に着いたと思ったら保育園から呼び出されて、すぐ戻った」
という話を聞くことがあります。
片道30分の通勤でも、実際には電車に乗っている時間だけではありません。
会社から駅まで歩き、電車を待ち、乗り換え、最寄り駅から保育園まで歩く。
往復すればかなりの時間になります。
私は、その時間がもったいないと思っていました。
幸い、当時住んでいたエリアには大手企業が入るオフィスビルが多く、近所でも派遣の仕事を見つけることができました。
その頃は派遣会社から「お住まいのエリアは希望者を探すのが難しい」と言われることもあり、仕事の紹介が途切れることはほとんどありませんでした。
そのため、期間限定の仕事が終わっても、「次が決まらなかったらどうしよう」という不安は全くありませんでした。
わざわざ遠くまで通勤する理由が、私にはなかったのです。
災害などが起きても、最悪の場合は歩いて子どものところへ帰れる。
それも勤務地を近くに限定していた理由の一つでした。
期間限定派遣の「次職を探す面倒」は私にはデメリットではなかった
期間限定派遣を知り合いに勧めると、よく言われたことがあります。
「せっかく仕事を覚えたのに辞めるのはもったいない」
「終わるたびに次の仕事を探すんでしょ?」
「派遣はずっと続くわけじゃないから不安」
確かに、その考え方も分かります。
でも私は、そこをほとんどデメリットだと思っていませんでした。
むしろ、新しい会社へ行き、新しい仕事を覚え、新しい人たちと働くことの方が楽しかったのです。
期間限定派遣では、データ入力、軽作業、繁忙期の事務、PCの設定作業など、さまざまな仕事を経験しました。
難しい仕事やキャリアにつながる仕事でなくても構いませんでした。
私が求めていたのは「一つの会社でキャリアを積み上げること」ではなかったからです。
仕事はきちんとする。でも、仕事だけに生活を縛られない。
当時の私には、そのくらいの距離感がちょうど良かったのだと思います。
期間限定派遣が「合う人」「合わない人」はいると思う
私は今でも、条件が合う人なら期間限定派遣という働き方はおすすめできると思っています。
ただし、誰にでも合うとは思いません。
一つの職場で仕事を覚え、少しずつできることを増やして長く働きたい人にとっては、契約が終わるたびに職場を変えることがストレスになるでしょう。
反対に、
- 安定よりも環境が変わることを楽しめる
- 職場を変えることにあまり抵抗がない
- キャリアアップだけを仕事の目的にしていない
- データ入力や軽作業など、期間限定で募集される仕事にも抵抗がない
- 家庭や自分の生活に合わせて仕事との距離を取りたい
そんな人には、一つの選択肢になると思います。
私にとっては、まさにそうでした。
「長く働けること」だけが安心ではありません。
終わる日が決まっているからこそ、安心して働ける人もいます。
少なくとも子育て中の私にとって、期間限定派遣は自分と家族の生活を守りながら社会とつながれる、とても相性の良い働き方でした。
ただ、当時から10年近く経った今は、派遣を取り巻く状況も、私自身の年齢も変わっています。
以前は紹介が途切れなかった期間限定の仕事や私が住むエリアの求人も、今は当時ほど簡単には決まらないと感じています。
それが年齢によるものなのか、派遣市場や地域の変化によるものなのかは、私には断定できません。
だからこそ、このブログでは「派遣ならこう」と一括りにするのではなく、私自身が実際に経験してきたことを一つずつ書いていこうと思います。
働き方はいろいろです。
読んでくださった方の参考になればうれしいです。
