派遣で働いていた頃、私は事務系とIT系をあわせて20社ほどの派遣会社に登録していました。こう話すと「そんなに登録してどうするの?」と驚かれることもありますが、当時の私にとってはそれが一番効率のいい仕事探しの方法だったのです。
ただ、40代に入ってからは、同じやり方でも見えるものが少しずつ変わっていきました。この記事では、派遣会社に20社登録してわかったことと、40代からの派遣会社の選び方について、私の体験をもとにお話しします。
派遣会社に20社登録した理由と私の仕事の探し方
私が20社も登録することになったのは、最初から「たくさん登録しよう」と決めていたからではありません。仕事の探し方が、結果的に登録数を増やしていったのです。
多くの人は、登録した派遣会社から紹介される求人を待つか、その会社のサイトで仕事を探すと思います。けれど私は、複数の派遣会社の求人がまとめて載っている総合求人サイトで、条件に合う仕事を先に探していました。
気になる仕事が見つかったら、その求人を出している派遣会社に応募します。まだ登録していない会社であれば、その都度登録するというやり方です。
この方法なら、一社の求人だけに縛られず、仕事内容や勤務地、時給を横並びで比べられます。その結果、気づけば事務系で10社、IT系で10社ほどに登録していました。
20社登録してわかった派遣会社ごとの違い
実際に多くの派遣会社とやり取りしてみると、同じ「派遣会社」でも中身はかなり違うことがわかりました。
まず大きいのは、得意な分野の違いです。事務系の案件が豊富な会社もあれば、IT系や専門職に強い会社もあります。自分の希望する職種に強くない会社に登録しても、紹介される仕事はなかなか増えません。
次に感じたのは、会社の規模による違いです。大手は案件数が多く、選択肢の幅が広いのが魅力でした。一方で、担当者が頻繁に変わったり、一人ひとりへの対応があっさりしていたりすることもありました。
中小の派遣会社は案件数こそ少なめですが、担当者との距離が近く、派遣先の雰囲気や人間関係まで詳しく教えてもらえることがありました。
そして、実は一番差を感じたのが担当者の対応です。こちらの希望を丁寧に聞いてくれる人もいれば、とにかく空いている案件をすすめてくる人もいます。同じ会社でも、担当者が変わるだけで働きやすさが大きく変わると実感しました。
40代になって派遣会社の対応が変わったと感じたこと
30代までは、20社に登録している強みを十分に感じていました。条件に合う仕事を見つけて応募すれば、たいていは話が進んでいったからです。
ところが40代後半に差しかかると、状況が少しずつ変わっていきました。応募しても「その案件はすでに決まりました」と言われることが増え、派遣会社からの紹介の連絡も目に見えて減っていったのです。
はっきり「年齢のせいです」と言われたことはありません。けれど、同じ登録数、同じ探し方をしているのに結果だけが変わっていくのを見て、派遣会社側の見方が変わったのだと感じずにはいられませんでした。
このとき気づいたのは、登録数が多いだけでは40代の仕事探しは楽にならない、ということです。大切なのは数よりも、どの派遣会社とどう付き合うかでした。
40代からの派遣会社の選び方
20社とやり取りしてきた経験から、40代で派遣会社を選ぶなら次の点を意識してほしいと思います。
ひとつめは、希望する職種に強い派遣会社を選ぶことです。事務職を希望するなら事務系の案件が多い会社、ITの経験を活かしたいならIT系に強い会社というように、得意分野と自分の希望を合わせることが第一歩になります。
ふたつめは、40代・50代の就業実績がある会社かどうかを確認することです。登録時の面談で「私と同じくらいの年代の方は、どんなお仕事で働いていますか」と聞いてみると、その会社が年齢の幅広い人材を扱っているかどうかが見えてきます。
みっつめは、担当者の対応を見ることです。こちらの経験や希望を丁寧に聞いてくれるか、断られた理由を聞いたときにきちんと説明してくれるか。40代の仕事探しでは、親身になってくれる担当者がいるかどうかで結果が大きく変わります。
そして最後に、大手と中小を組み合わせて登録することです。大手で案件の幅を確保しつつ、中小で担当者との距離が近い関係をつくっておくと、どちらか一方だけに頼るよりも選択肢が広がります。
派遣会社に何社も登録するときの注意点
私のように多くの派遣会社に登録するやり方には、メリットだけでなく注意点もあります。
まず、登録数が増えるほど管理が大変になります。どの会社にどの案件で応募したのか、担当者は誰なのかを把握しておかないと、同じ案件に別の派遣会社から重ねて応募してしまうこともあります。簡単なメモでもいいので、記録を残しておくと安心です。
また、登録しただけで放置している会社からは、紹介がほとんど来なくなります。とくに40代では、こちらから定期的に連絡を入れて「まだ仕事を探しています」と伝えておくことが大切です。
すべての会社と同じ熱量で付き合うのは現実的ではありません。20社登録していた私も、実際にこまめにやり取りしていたのは、そのうちの数社でした。広く登録しつつ、深く付き合う会社を絞るのが、無理のない付き合い方だと思います。
40代で派遣会社選びに迷っている方へ
派遣会社に20社登録してわかったのは、たくさん登録すること自体に意味があるわけではない、ということでした。
40代になると、若い頃と同じやり方ではうまくいかない場面がどうしても出てきます。だからこそ、自分の職種に強い会社を選び、年齢に理解のある担当者と信頼関係をつくっていくことが、以前にも増して大切になります。
派遣会社選びに正解はひとつではありません。けれど、「数より付き合い方」という視点を持つだけで、仕事探しの負担はずいぶん変わるはずです。これから派遣会社を選ぶ40代の方にとって、私の経験が少しでもヒントになればうれしいです。